フリースタイル(自然)出産、母乳育児、妊娠について|大阪|泉南|阪南

大阪・阪南市の南海本線尾崎駅より徒歩9分!初めての方もお気軽にご相談ください。

フリースタイル出産と母乳育児の笠松産婦人科・小児科

院長の学術活動報告

院長の活動報告(H24年7月)

7月10日   
阪南市 聞いて納得講座 講演『子宮頸がん、HPV、検診、ワクチン』阪南市保健センターで話をしてきました。
「子宮頸がん」は、唯一(?)病因がはっきりしている「癌」です。ヒトパピローマウイルス(HPV~150種類以上あるといわれている)の悪性タイプ(10数種類あるといわれている)による感染が原因です。このウイルスが数年間にわたって子宮頚部で持続感染し、異型性ⅠからⅢと進み、癌化していく、と殆どその病態は解明されています(多くはその途中で正常化します)。
HPVはセックスを通して、子宮頚部に侵入します。今のところセックスの前に悪性タイプかどうかを診断することはできません。それゆえセクシャルデビュー(セックスを体験する)すれば、2年ぐらいで、子宮癌検査を受ければ、極めて早期に発見し、対策を考えることができます。
「子宮頸がんワクチン」はこの悪性タイプ(16、18型のみ、このタイプは年齢、国によって差があるが、60~90%を占めていると言われている)の侵入を防ぎます(すべての悪性タイプを防ぐのではないので、子宮癌検査は、やはり受ける必要があります)。
子宮頚がんワクチンには2種類あります。2価(サーバリックス)と4価(ガーダシル)で、「2価」は「16、18」による「子宮頚部の変化、異型性Ⅱ、Ⅲ」に対し防ぐ効果があり、「4価」は「16、18」による「子宮頚部の変化、異型性Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」「膣がんに繋がる膣腫瘍」「外陰がんに繋がる外陰部腫瘍」と「6、11」による「膣壁や退院部にできる良性の“いぼ”、尖圭コンジローマ」を防ぐ効果を持っています(妊娠中の母親が出産時に膣や外陰部のこの“いぼ”があれば、生まれてくる赤ちゃんに感染し、数年(2ヵ月~10年)後に呼吸器に発症します。初発症状は嗄声で、耳鼻科に受診する主訴の第2位と言われています。治療は外科的、手術での切除ですが、原因がウイルスなので繰り返し再発します。「若年性再発性呼吸器乳頭腫症」と言われています)。
この2種類のワクチンは現在世界中で使用されています。4価のワクチンが約8割をしめ、多くの国では、セクシャルデビュー前の、10歳過ぎより18歳頃までに(定期接種として)予防接種され、接種者は対象年齢のほぼ7~8割に達しているとのことです。
注)日本でのワクチン接種率は、「子宮頸がんワクチン」だけでなく、諸外国(先進国、途上国を問わず)に比べ、  その他のワクチン接種率もかなり低いようです。子宮頸がん検診率も相当低いようです。理由は何なのでしょうか? 

7月22日   
第6回わかやま母乳の会で、当院の松岡看護師が、シンポジウム「退院後の母乳育児支援」で『私たちの施設の退院後の母乳育児支援~母子健診、母乳外来、おっぱい母子合宿~』の演題で話しました。
内容は、
   A.「母乳育児成功のための10ヵ条」と「第10条」「BFHI」「私たちの施設」
   B.「退院後の支援~おっぱい母子合宿を中心に」
    ・「母子健診」「乳房マッサージ」
    ・「おっぱい母子(おやこ)合宿」
 退院後の授乳トレーニング入院「おっぱい母子合宿」は、“母乳のみでの体重増加”という面では、自施設出産例には効果的であったが、他施設出産例(特に他施設健診・他施設出産例)では、「乳頭混乱」や「刷り込み」などにより、生後日数に比例して難しい結果であった。しかしながら、2~3日の「おっぱい母子合宿」は、援助中の母親たちのいくつもの一言、つぶやきから、様々な「お産やおっぱい」への想いを整理する、「時間と空間」の役割を果たしているようである。このこともやはりたても大切な役割なのであろう。

投稿者 笠松産婦人科・小児科 (2013年09月11日 18:33)