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院長の学術活動報告

院長の活動報告(H24年10月)
 10月2日   
富山県立中央病院で、『入院中の母乳育児支援を考える』の演題で講演してまいりました。
講演内容の見出しに沿ってのべます。(富山県立中央病院は「赤ちゃんにやさしい病院」です)
A.「入院1週間」、施設の役割
①入院日数~1週間・・・「(各国の)入院日数の違い」「入院1週間の影響」
                           「産後の入院期間の意義、意味」「入院1週間の結果と現状」
②「入院1週間」の母乳育児支援・・・
 ・母乳育児支援の目標・・「入院中の母乳(だけ)で赤ちゃんの体重が増え、
                  退院後も母親が母乳育児を続けられること」
 ・入院中の母乳育児支援の構成
   母乳育児は3つの要素で成り立っている・・「おっぱい」「赤ちゃん」「母親」
   Ⅲ期にステージ分類して援助する・・「乳汁分泌期」「児体重増加期」
                             「母乳育児確立期」
   3.5ヵ所に援助のチェックポイントを設ける・・「出生直後(2~4時間)」
                                                           「生まれて20時間」「日令2」「日令5」

B.「体重減少、増加」という指標
①「赤ちゃんの体重増加」を考える・・・「赤ちゃんの体重減少、増加」、
                                                       母親・家族の思い、医療者の思い
②「私たちの施設の体重」、結果・・・(17年間、3年単位で)
 ・分娩数 6833件  新生児数 6862人  
     対象児数 6141人(89.5%)
   (2500g以上~4000g未満、37週以上~42週未満、単胎、健常児)
 ・母乳率(2009~2011) ・・入院中(完全)71.0→退院時94.8→
                      2週間92.6→1ヵ月90.4→2ヵ月87.7%
 ・最低日 ・・ 2.75日→2.3日 と早まる
   最大体重減少率 ・・ -9.26%→-6.56%(平均-7.84%) 
                 と減少が少なくなる
 ・退院日 ・・ 5.94日→5.86日(平均5.88日) と変化なく
   退院時体重回復率 ・・ -3.33%→-1.0%(平均-1.9%)
                                        と回復が目覚ましい
 ・2週間(健診日) ・・ 13.22日→12.96日(平均13.05日)と変化なく
  体重増加率 ・・ 7.37%→8.58%(平均8.2%) と増加
 ・1ヵ月(健診日) ・・ 31.24日→32.24日(平均32.27日)と変化なく
  体重増加率 ・・ 35.87%→40.87%(平均38,87%) と増加あり
 ・2ヵ月(健診日) ・・ 61.83日→61.51日(平均62.33日) 
                                         と変化なく
  体重増加率 ・・ 74.4%→78.41%(平均76.87%) と微増
③「私たちの施設の体重」、考察
 ・最低日の最大体重減少率
   -8から-9%までの体重減少群・・入院中母乳率60%下回る
                               (補足率40%超える)
  -9から-10%までの体重減少群・・1ヵ月母乳率90%下回る
  -10%超える体重減少群・・現在1%以下で稀
  -7%までの体重減少群・・現在約60%
 ・退院時の体重回復率
  -7%超える体重減少群・・現在3%未満、入院中、2週間、1カ月の
                                       体重はよくない
  -6から-7%までの体重減少群・・体重増加、2週間(2%)は不十分
   母乳率は入院中(50%弱)、2週間(90%弱)、1ヵ月(80%強)とよくない
  -4から-6%までの体重減少群・・母乳率は入院中60%弱、
                                     2週間、1ヵ月の母乳率、体重増加ともに問題なし
  -1%を超えない体重減少群・・現在50%近い
 ・2週間時の体重増加率
  平均体重増加率・・(17年間で)7.37→8.28% と大きい変化はないが、
  2週間時未回復(出生体重へ復帰していない)例は13.3→6.87%と改善
  0から-4%までの体重未回復群・・退院時(-6%超)1ヵ月(20~25%)ととも
   に体重増加がよくない。母乳率は退院時(90%台)を除き、入院中(50%前後)、
   1ヵ月(80%台)と低い
  -4%を超える体重未回復群・・退院時(約-8%)、1ヵ月(15%前後)ともに体重
   増加が悪い。母乳率は入院中(40%前後)、1ヵ月(80%弱)と悪い
 ・1ヵ月時の体重増加率
  20%未満の増加率(対出生体重)群・・母乳率1ヵ月(75%未満)、
  入院中(40%台)、退院時、2週間(80%台)の母乳率も低い。
  この群の体重、入院中(-10%近く)、退院時(-6%超)、2週間(-1超)と悪い
  20から30%までの増加率群・・母乳率1ヵ月(90%未満)、
     入院中(40%台)も悪い。
  この群の体重、入院中(-9%近く)、退院時(-4%超)、2週間(3%台)と
     増加よくない。

C.入院中の母乳育児支援
①体重の日令変化(%、3年毎) (1995-96)/(17年間平均値)/(2009-2011)
  ・日令1の体重 ・・ (-4.77)/(-4.42)/(-3.47)
  ・日令2の体重 ・・ (-7.95)/(-7.09)/(-6.07)
  ・日令3の体重 ・・ (-8.12)/(-6.67)/(-5.54)
  ・日令4の体重 ・・ (-6.56)/(-4.99)/(-3.87)
  ・日令5の体重 ・・ (-4.66)/(-3.15)/(-2.18)
②支援の最終ポイント、退院日(日令5)
  ・退院日は(実際上)幅があるので、日令5を退院日評価の代用とする
  ・推奨域(目標)・・「おっぱい」の分泌量は十分あり、「赤ちゃん」の
         体重回復は-2~3%で、母と子の「サイン」でのやり取りができている
   ・要注意域・・「赤ちゃん」の体重回復が不十分で、
           まだ-5%を超えている場合、補足あり
③支援評価の中間ポイント、最低体重日(日令2)
    ・最低体重日はその日に確定できないため、日令2を最低日評価の代用とする
  ・推奨域(目標)・・「おっぱい」にトラブルなく分泌は量になっている、「赤ちゃん」の
       体重減少は-6~7%の範囲で、「母親」の授乳技術、「心」が育ち、「早めの
       空腹のサイン」が分る
  ・要注意域・・不適切な吸着のため、「おっぱい」のトラブル持続し分泌量増加見ら
      れず、「赤ちゃん」の啼泣、発熱、低血糖、体重減少と「補足」が生じ、「母親」から
      の「預かり希望」などのネガティブなサインが現れる
④要注意のチェックポイントを抽出、出生時(早期母子接触後、2~4時間)
 ・妊娠中の「母親教育」の理解、「おっぱい」手当て(準備)
 ・出産・出生による(母子への)負荷、達成感
 ・早期母子接触の影響
 ・「おっぱい」の分泌はどうか
⑤支援の最重要ポイント、初回授乳時
 ・「適切な吸着」での哺乳-授乳となっているか
 ・適切な吸着は、「早めの空腹のサイン」での授乳で可能となる
 ・静覚醒からの係わりを経て、動覚醒の「早めの空腹のサイン」をアドバイスする
 ・「適切かどうか」の評価は難しいが、「不適切な吸着」の評価は可能である
 ・不適切な吸着は、「おっぱい」に表われる
 ・「おっぱい、乳頭」のトラブルの有無が最も早めの不適切なサイン
 ・「赤ちゃん」の啼泣、発熱、低血糖、やや多め(5%を超える)体重減少も
                                                                                                 不適切なサイン
 ・生まれて20時間頃に評価する
⑥チェックポイント、各時期の推奨値、要注意値、危険値(%)
   20時間  -3~-4   -5前後   -6>
   日令2   -6~-7   -8~-9   -10>
   日令5   -2~-3   -4~-5   -5>



10月3日   
富山県母乳育児研究集会 講演 『赤ちゃんの心を聞く、母乳育児』をしてまいりました。前夜に引き続きの話のため、(口や頭が回るかどうか)若干心配していましたが、100数十名の参加者皆さまの熱気に押され、精一杯話してきました。
  はじめに) この「演題」の意味について説明させていただきました。私が今最も気になっていること、大切にしたいと思っていることとは、この演題の「赤ちゃんの心」を「聞く、聞きたい」という思い、それを演題にさせていただきました。そこに至った経過を話させていただきたい、ということです。
桶谷そとみ先生(富山県高岡市出身)と、山内逸郎先生、お二人との出会いから、私の「母乳育児」との係わり、支援が始まり、私たちの施設の取組みが始まりました。そしてその中で出会った「生まれて、入院中の赤ちゃん」の「顔、表情~動睡眠中」から、「赤ちゃんの心の世界」を感じ取りたい、もし少しでもその意味をお母さま方にお伝えすることができれば、もっと早く子育てが楽しいものになるのではと思えたからです。そのスライドを何枚か見ていただきました。
母、子に出会う、に出会う) 次に目を奪われたのは、周産期に係わる多くの皆さまと同様に、「生まれたての赤ちゃんと母親」のシーンです。現在「早期母子接触」と呼ばれているあの時間帯の出来ごとです。何人かのお産に立ち会ううちにとても素晴らしいカップル(母と子)の写真を撮らせていただくことができました。「産んだ母親」はわが子との出会いで何を感じるであろう。「生まれた赤ちゃん」はお腹(子宮)の中と異なるこの世界を、そして母親との出会いをどのように感じるであろうか。
妊娠中の係わり) この項では『妊娠中、赤ちゃんは毎日何をしているのだろう? 何を考えているのだろう? (おなかの)赤ちゃんの声、思い、願い、聞こえていますか?』について、「妊娠、産科の特殊性」「妊婦はいつ、赤ちゃん、胎児を意識するのか」「母親をrespectすると」「胎児は何をしている、思っているか」を話しました。
お産の時) この項では『お産の時、赤ちゃんはどのような「状態」にいると思いますか? どのように感じ、どのように思っているのか、想像してみませんか?』について、「出産前、陣痛時の赤ちゃんの思い」「バースコーナーでのフリースタイル出産」「出産直後の赤ちゃんの思い」のお話をいたしました。
出産直後の早期母子接触) この項では『生まれて「見えるもの」、「聞こえるもの」、出会うものの全てが新鮮! 赤ちゃんの「驚き」、そして「不安」を想像できますか?』について、「早期母子接触」「first contactはeye contactで」「赤ちゃんは待っています」の話をいたしました。
入院中の係わり) この項では『おっぱい、お母さん、毎日毎日が新しい出会いにサプライズ! 「注視」「好奇心」から「育つ心」が育つ。この世の人、物との関係作りが始まっていく』について「母子同室の入院1週間」「入院中の望まれる係わり」の話をいたしました。
退院後の係わり) この項では『母乳育児、授乳で赤ちゃんの心を聞く~赤ちゃんの世界、未来、人生が始まっていく』について、「赤ちゃん、家族とおっぱい」「2週間健診の赤ちゃん」の写真を見ていただきました。


投稿者 医療法人 笠松産婦人科・小児科 (2013年9月19日 11:04) | PermaLink

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